公式ブログ

正しく理解したい「ステマ」について

正しく理解したい「ステマ」について

ステマ(ステルスマーケティング)とは?

ステマ(Stealth marketing)とは、Stealth=”こっそりとした行為”という意味であることからわかるように、宣伝であることを隠して、商品やサービスをユーザーに広げるデジタルマーケティングの手法です。SNSと相性が良いとされ、近年、幅広く取り入れられるようになりました。

ステマの最大の特徴は、宣伝したい商品やサービスに対して、ユーザーの強い興味を引き寄せると同時に、記憶に残る打ち出しを可能にすることです。結果として、よりコンバージョンに直接繋がりやすい傾向にあると言えるでしょう。

とくに、バイラル・マーケティング(口コミなどの効果を用いた手法)やバズ・マーケティングなど、ユーザーの感情的な反応を得たいときに、ステマが用いられるケースがよく見られます。インフルエンサーや注目度の高いメディアを使ってステマを行えば、さらに強力なプロモーションになります。

映画やテレビ番組の中に、商品やサービスを馴染ませて、自然なかたちで宣伝するプロダクトプレイスメントも、ステマの典型的な手法になります。

ランボルギーニのプロダクトプレイスメント事例 映画「トランスフォーマー4」より

ステマの利点

低価格

口コミや商品レビューを操作する手法であれば、広告を出稿するより低価格で行なえます。もちろん、芸能人やインフルエンサーなどを使う場合は、コストがかかりますが、比較的小さな予算でも始められるのは利点と言えるでしょう。→ マイクロおよびナノインフルエンサー、 コンバージョン率を上げる効果的な選択 

高い宣伝効果が見込める

ユーザーの行動心理のひとつとして、企業が打ち出す広告よりも、好きな芸能人やインフルエンサーが勧めている商品やサービスに反応し、後に購入にいたる傾向が高いとされています。インフルエンサーマーケティングが主流になったのも、このような高い効果を実感する企業が多いためです。

バズマーケティングとの併用による効果の拡大

口コミや商品レビューを投稿するだけでなく、バ​​ズマーケティング(「プレゼント」キャンペーンの実施、特別割引の提供など)を併用して、宣伝している製品またはサービスの情報をより広く打ち出すことができます。上手く運用することで、さらに高いコンバージョン効果が見込めるでしょう。

ステマの欠点とは?

ステマの利点をみると、宣伝する側としては魅力的なマーケティング手法かもしれません。しかしながら、多くのリスクが伴うことも正しく理解しておきましょう。

セキュリティ面の懸念

近年、ユーザーはインターネットの安全性に関して、高い知識と問題意識を持つようになりました。商品やブランドがインフルエンサーなどによって操作されていることが発覚すれば、ユーザーは、おなじように個人情報の侵害や悪用のリスクにさらされるなどの懸念を抱き、企業やブランドのイメージが下がることにも繋がりかねません。

違法の懸念

やり方によっては、違法になりかねないグレーゾーンが多いことも、ステマの大きなリスクです。

実際に、米国やヨーロッパ諸国では違法とされることが多い傾向にあります。(例:#ad #adv #supplied #gifted など露骨に宣伝とわかるようなハッシュタグの使用など).

日本においては、ステマに関する明確な規制はありませんが、消費者庁がインターネットにおけるステマについてのガイドラインを設けています。たとえば、使用したことのない商品やサービスについて、偽の口コミやレビューを投稿した場合、詐欺などの罪に問われる可能性があります。そのため、ステマのオファーを断るインフルエンサーも多くなりました。

信頼性の低下

インフルエンサーが発信する情報や口コミは、ユーザーに信頼や安心感を与え、結果的にコンバージョンに繋がりやすいため、ステマは、潜在顧客をリピーターやファンに育て上げ、売上拡大に寄与することも可能です。

反面、その情報が実は企業によって操作されているものだと発覚した場合、ユーザーは裏切られたような気持ちになるでしょう。このようにして企業やブランドの信頼やイメージが壊れると、修復されるまでには時間がかかり、大きな損害にもなりかねません。

”炎上”リスク

誤ったステマによって、多くのユーザーが怒りやネガティブな発信をした場合、”炎上”が起きます。炎上における影響は非常に強く、企業やブランドが受けるダメージは多大なものになりかねません。さらに、インターネット上で発信されたこれらの反応は、簡単に消すことが出来ず、永久に残ってしまう可能性もあるのが怖いところです。

ステマの失敗事例

Sony Ericsson

海外でステマの事例として大きな反響を呼んだのが、2002年にSony Ericssonが実施したT681 カメラ付きスマートフォンのキャンペーンです。

この動画の中で、旅行者が通りすがりの歩行者にT681で写真を撮ってほしいとお願いをします。ところが、ランダムにお願いしているように見せかけていた歩行者は、すべてSony Ericssonが事前に用意した、云わば”サクラ”だったのです。 キャンペーンは広く拡散されましたが、中にはヤラセとしての批判も大きい結果となりました。

ORBIS

日本での失敗事例として挙げられるのが、化粧品ブランド「オルビス」のキャンペーンです。Twitter上でインフルエンサーを装い、オルビスの商品を紹介し、愛用しているようにレビューをしていたのが実はオルビスの社員であることを、匿名の社員が内部告発したのです。この件に関して、オルビスは正式なコメントを出しませんでしたが、インターネット上には、ステマを疑うユーザーや企業やブランドに対するネガティブなコメントが発信される事態となりました。

ステマの成功事例

一方で、ステマを正しく活用し、成功に導いた事例もあります。

「プラダ」と「ヴォーグ」

映画「プラダを着た悪魔」は、ヴォーグの編集長ミランダと秘書のアンドレアを通して、一流の華やかなファッション業界を誰もが親しみやすいストーリーで描き、世界中で人気の高い作品となりました。

映画の中で使われているプラダのプロダクト・プレイスメント事例
(映画「プラダを着た悪魔」より)

映画のキャラクターとして特徴的なミランダは、米ヴォーグの編集長であるアナ・ウィンターがモデルとも言われたことで大きな話題となり、この映画のプロモーションを通じて、雑誌「ヴォーグ」とプラダは、ともに世界的な注目を得ることになりました。

まとめ

ステマは、使い方によって非常に強力なマーケティングにもなり、また一方で、もろ刃の剣にもなりかねません。正しい理解と戦略をもって実施する必要があることは、すべてのマーケティング手法に共通することですが、とくにステマに関しては、知見をもったスペシャリストに相談した上で、慎重に計画することをおすすめします。

SNS マーケティング